日本人の食事情
「世界の健康な食事情」 世界1位はオランダ。日本は21位
国際非政府組織(NGO)オックスファムが発表した調査結果によると、最も栄養価が高く、豊かで健康的な食事を取っている国は「オランダ」。日本は米国と並ぶ21位と低い結果になっています。
本膳料理の配置日本食はヘルシーで健康に良いイメージですが、一方、肥満大国でありファーストフードなどあまり食のイメージの良くないアメリカと同位とは意外ですよね。この、"世界の健康な食事情"ランキング"は次の観点から125カ国を調査したという事です。
・食料の供給体制、供給量
・食料の品質(清潔な水へのアクセスなど)
・食の物価、価格
・食に関する病気や疾患率(低体重児の比率や肥満や糖尿病など)
つまり、美味しさやヘルシーさではなく、いろんな意味での「食」に恵まれているのかを調査されているのです。

オランダが一位に選ばれた理由は、国民が十分に食べていくことができる比較的低めの価格を設定している食市場の良さや、糖尿病患者の少なさ、栄養のバランスが他の国より平均的に優れているというところにあります。
ところがオランダは人口の20%がBMI基準値をオーバーしているというおおきな肥満問題もあるので、あくまで平均値で見たところの結果のようです。

日本は、栄養不足や低体重児の数は125カ国の中で最少でとても優秀ですが、食品の価格変動が激しく、高額であることがこのような低いランキング結果に繋がったということです。
国内消費のほとんどを輸入に頼らなければならない日本では仕方が無いのかもしれません。
ほんとは低くない? 日本の食糧自給率問題
農水省より発表された食料自給率の統計結果によると、平成25年度は、カロリーベースで39%、生産額ベースでは65%と低い水準が続いていることが示されました。
カロリーベースの食料自給率は、昭和40年度の73%から大きく低下し、近年40%前後で推移しています。また、生産額ベースの食料自給率も、低下傾向で推移し、直近は65%となってしまいました。食料需給率の推移しかし、農水省が政策目標にあげているこの「カロリーベースの食料自給率」とは実は、日本独自の指標で、国際標準ではないのだとか。
この、「カロリーベース」「生産額ベース」の違いは次の通りです。

・カロリーベース総合食料自給率
「日本食品標準成分表2010」に基づき、重量を供給熱量に換算したうえで、各品目を足し上げて算出。これは、1人・1日当たり国産供給熱量を1人・1日当たり供給熱量で除したものに相当。
(例)カロリーベース総合食料自給率(平成25年度)
=1人1日当たり国産供給熱量(939kcal)/1人1日当たり総供給熱量(2,424kcal)=39%

・生産額ベース総合食料自給率
「農業物価統計」の農家庭先価格等に基づき、重量を金額に換算したうえで、各品目を足し上げて算出。これは、食料の国内生産額を食料の国内消費仕向額で除したものに相当。

(例)生産額ベース総合食料自給率(平成25年度)
=食料の国内生産額(9.9兆円)/食料の国内消費仕向額(15.1兆円)=65%

※農林水産省ホームページより


食品によってカロリー量は違うので、輸入された食品の100グラム当たりのカロリー量が、国内で生産された食品の100グラム当たりのカロリー量に比べて高ければ、当然食料自給率の数字は下がります。
日本では農作物の自給率が高くても、じつはカロリーが高めの肉類や牛乳・卵など畜産物は飼料のほとんどを輸入に頼っているため、国産でも国内生産として計算されないので、カロリーベースだとこんなに低い数字になってしまうんですね。

「食糧自給率39%!」と言われると、とても危機感を感じますが、 「食糧自給率65%!」と言われると、半分を超えているのでまだ 大丈夫という気がしますね。
また一方では、海外からの輸入が多いにもかかわらず、多くの食品を廃棄している「食品廃棄物問題」が存在します。農林水産省の資料によると、平成25年度の食品産業全体における食品廃棄物等の年間発生量は1,927万トンとなりました。
業種別にみる食品廃棄物量
外食産業や家庭での廃棄のうち「本来食べられるのに捨てている」部分、すなわち「食品ロス」が500万〜800万トンあると言われています。私たちは、世界全体の食糧援助量の2倍にもあたる食品を、食べられるのに捨てているのです。
食糧自給率が低いにもかかわらずこの飽食の時代に、わたしたちはどう食と向き合っていくべきなのでしょうか。
フードアクションニンポン
日本の農業力は生産額ベースでは65%と他の国に見劣りしません。
しかし、最近の食卓事情では、メインがパン・麺類などの小麦になり、おかずは魚や野菜よりも肉を好む傾向にあります。これでは日本の自給率が下がるのも仕方ありません。
洋食と和食で比べる食料自給率
フードアクションニッポン「フードアクションニッポン」
 http://syokuryo.jp/index.html

日本の食を次の世代に残し、作るため、民間企業・団体・行政などが一体となって推進する、国産農産物などの消費各拡大の取り組みが行われています。
フードアクションニッポンホームページ
国は2020年までに50%まで引き上げようという目標を 掲げています。だから私たちができることは、自分たちが食べるものは自分たちの国で作り「食料自給率をアップさせること」です。 国産のもの、旬のものを食べることを心がけること。 私たち一人一人の行動が、食料自給率をアップさせる力になります。 身近で食べものが得られることの大切さを今一度考え、日本の豊かな農地と自然環境を次世代に引き継ぐためにも、農業をもっと大切に、食べもののこと、もっと真剣 に考えてみましょう! 国で食料を増産することは、日本のためにも、将来の地球のためにも必要なことなのです。
「食糧自給率アップのための5つのアクション」

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